オペレーティングモデルは、実務において企業や事業単位の将来収益・コストを予測するモデルとして、経営企画や財務部門で日常的に使われています。筆者は実務でプロジェクトファイナンス(PF)モデルの構築に携わっていますが、PFモデルの「運営期」ブロックは、このオペレーティングモデルの考え方がベースになっています。この記事では、オペレーティングモデルの基本構造を、実務目線で解説します。
オペレーティングモデルとは何か
オペレーティングモデルとは、企業や事業が生み出す将来の収益・コスト・キャッシュフローを予測するためのExcelモデルです。年度ごとの収益・支出計画、予実比較、資金需要の把握、経営判断のシミュレーションなど、経営企画・財務部門の意思決定を支える役割を持ちます。
PFモデルとの違い
オペレーティングモデルが企業や事業単位を対象にするのに対し、PFモデルは特定のプロジェクト(SPV)単位を対象にします。ただし、収益・コストを予測して損益・キャッシュフローに落とし込むという基本的な考え方は共通しており、PFモデルの「運営期」ブロックは、オペレーティングモデルの構造をプロジェクト単位に当てはめたものと言えます。オペレーティングモデルを理解しておくと、PFモデルの運営期部分の理解もスムーズになります。
基本構成要素
オペレーティングモデルは、主に次の5つの要素で構成されます。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 売上予測 | 販売数量・単価・チャネル別の予測 |
| コスト構造 | 固定費と変動費の分解 |
| キャッシュフロー予測 | 月次・年次の資金繰り |
| 損益計算書 | 売上からコストを差し引いた収益性 |
| 貸借対照表 | 資産構成と財務の安定性 |
実務では、この5つを独立したシートとして作るのではなく、前提条件シートを起点に、売上予測→コスト構造→損益計算書→キャッシュフロー→貸借対照表という順で連動させて設計します。PFモデルの作成順序と考え方は共通しています。
構築プロセス
- データ収集(過去の実績、市場データなど)
- 前提条件の設定(成長率、単価、コスト構造など)
- 計算・シミュレーション
- シナリオ分析(楽観・悲観・中立の複数ケース)
- レビュー(現場・専門家によるチェック)
実務で起きやすい失敗とチェックポイント
実務でよく見かけるのが、前提条件の根拠が曖昧なまま数値を積み上げてしまうケースです。成長率や単価の前提は、必ず過去実績や市場データなど、説明可能な根拠とセットで置く必要があります。また、シナリオ分析を後付けで作ると、前提条件シートとの連動が崩れやすいため、モデル設計の初期段階でシナリオの切り替え機能を組み込んでおくと、後の手戻りを減らせます。
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まとめ
オペレーティングモデルは、企業・事業単位の将来予測を行うための基本的な財務モデルです。PFモデルをはじめ、他の財務モデルの土台になる考え方なので、まずはこの基本構造を押さえておくと、より専門的なモデリングの理解がスムーズになります。


