USCPA(米国公認会計士)試験BEC対策:BEC試験前の基礎知識

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USCPA(米国公認会計士)のBEC(Business Environment and Concepts)は、試験の4つのセクションの1つです。BECセクションは、管理会計、経済学、ファイナンス、ITなど、USCPA(米国公認会計士)試験の中で、最も通常のビジネスに近い分野のセクションです。それだけに出題範囲も広く、より実践的な知識を試される試験といえます。

この記事の目次

BEC(Business Environment and Concepts)の出題範囲

BECは直訳すると、ビジネス環境と概念であり、抽象的に聞こえます。実際に管理会計(特に製造業、日本でいう工業簿記)、経済学、ファイナンス全般、IT、リスク管理等と確かにビジネス全般が出題範囲です。

管理会計

管理会計(Management Accounting)は、組織内の意思決定やパフォーマンス評価を支援するために使用される分野です。管理会計は、企業の経営陣や管理者が経営上の意思決定を行うために必要な情報を提供します。

計画と予測、コスト・収益管理、パフォーマンス評価の目的で使用され、様々な手法やツールが使用して測定されます。例えば、予算編成と予算管理、財務分析、コスト計算とコスト管理、収益管理の手法、バランススコアカードなどが一般的に使用される管理会計の手法です。

管理会計は、企業の経営において重要な役割を果たし、意思決定やパフォーマンス評価において戦略的な情報を提供します。

経済環境とビジネス概念

経済学、経済成長、需要と供給、市場の構造、国際ビジネスなど、ビジネス環境に関する基本的な概念と理論についての知識が広く浅く問われます。

経済学は非常に難しい学問で数学的手法を使うものですが、BEC試験では基本的な出題に留まります。

ビジネスの戦略とリスク管理

ビジネスの戦略、企業の目標設定、リスク管理、プロジェクト管理、品質管理など、経営やリーダーシップに関連するトピックが含まれます。コーポレートガバナンスもこの中に含まれます。

ビジネスの戦略は、組織が長期的な目標を達成するために採用するアプローチや計画です。戦略は、組織のビジョンやミッションに基づいて策定され、市場や競合環境を考慮しています。戦略は、組織のリソースや能力を活用し、競争力を維持または向上させるための指針となります。

リスク管理は、組織が直面する潜在的なリスクを特定し、評価し、適切な対策を講じるプロセスです。リスクは、組織の目標達成に影響を及ぼす可能性のある不確実な要因です。リスク管理は、組織がリスクに対して適切な対策を講じ、リスクの影響を最小限に抑えることを目指します。

ファイナンスと財務管理

資金調達、資本予算、財務計画、財務分析、投資評価など、財務の基本的な概念や手法についての知識が求められます。これらの財務の基本的な概念や手法は、企業の財務管理や投資判断において重要な役割を果たします。企業はこれらの概念や手法を活用して、効果的な資金運用や経営戦略の策定に取り組みます。

ファイナンス(Finance)は、資金の調達、資本の運用、リスクの管理、資金の配分など、お金に関連する活動や原則の体系を指します。具体的には、企業や個人が資金を効果的に管理し、収益性や成長を追求するための方法や原則を研究・実践する学問や業務分野です。

財務管理(Financial Management)は、企業や組織が資金を効果的に管理するための活動やプロセスを指します。財務管理の目的は、企業の価値を最大化し、持続可能な収益性や成長を実現することです。具体的には、財務資源の調達・運用・配分、リスク管理、財務戦略の策定、財務情報の分析などが財務管理の領域に含まれます。

個人的にはUSCPA(米国公認会計士)のトピックの中で一番好きな内容でした。

BEC試験の特徴

BEC試験の特徴は英文でのライティングです。MC問題、TBS問題、そしてBEC試験ではライティングがあります。ライティングは日本人泣かせの分野で、そして試験の合否を大きく左右する分野になります。

ライティング

実際の実務のように、クライアントや上司、社内からの質問に対して、理由を示しながら回答を作成するライティングが大きな特徴です。

大問が3つあり、しかも試験の最後の問題なので時間がない中、英語でロジカルに文章を作成する必要があるので、多くの受験生が苦労をします。

MC問題やTBS問題と違って、学習をしていても正解がないものなので、しっかりと各トピックについて細かく理解をして、更にその理解を文章で説明する練習をする必要があります。

計算問題が多め

BECの特徴として、やはり計算問題が多めになってくるという点です。管理会計、ファイナンス、経済学と、計算自体は難しくないのですが、各トピックを確りと理解をしていないと、回答が導き出せません。

計算一つをとっても、「なぜならば」と説明できるように、時間をかけて正しく理解を重ねていく必要があります。

まとめ

BECセクションでは、ビジネス環境に関する基本的な概念、経済学、会計、財務分析、リスク管理、情報技術の基礎など、幅広い知識と理解が求められます。

USCPA(米国公認会計士)としての総合的な能力を取得するための重要なセクションです。このセクションに合格することで、ビジネス環境における理解と公認会計士としての統合的なスキルを証明することができます。

頑張りましょう。

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USCPA Globalの人

大学卒業後、アジア各国および香港で勤務。これまでに、会計事務所での実務会計業務を通じて専門的な会計知識とスキルを磨き、さらに金融分野でのキャリアを通じて財務に関する深い知識を習得。投資ファンドの運営会社に勤務し、ファンド管理や財務モデリングを担当した後、USCPA Global創業。香港在住。

USCPA、CPA Australia、FMVA

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